WEBサイトを作る時に、ほぼ必要になるのがサーバーです。
ただ、そもそもサーバーって何?と疑問の方も多いでしょう。
本日は、サーバーの役割や「レンタルサーバー」の借り方について、詳しくご説明させていただきます。
まずサーバーとは、データの置き場所であり、倉庫のようなものです。
オフラインで言えば、一時的に荷物を預けるレンタル倉庫に似ています。
長期留学に行くので荷物を預けたい、部屋に置けない荷物がある。
そんな時、小さな倉庫を借りて、荷物を預けたりします。
オフラインではそんな時、レンタル倉庫を使ったりするでしょう。
レンタル倉庫の「データ版」のようなものが、レンタルサーバーです。
自分のパソコンのデータを、レンタルサーバーに預けておけるのです。
そして、レンタルサーバーにデータを預けることを「アップロードする」と言います。
オフラインの倉庫であれば、倉庫まで誰かが荷物を運ばなくてはなりません。
でも、オンラインは違います。
自分のパソコンから直接、倉庫の中に荷物を転送できるのです。
ある特殊なツールが、パソコンとサーバーの中を繋いでくれるんですね。
そのツールから直接データを預けることができます。
ただ、オフラインの倉庫と異なる点があります。
サーバーは、ただのデータ用倉庫ではありません。
ドメイン(URL)を設定することで、外から倉庫の中身を公開できる機能があるのです。
つまり、これが「WEBサイトを公開する」ということです。
- まず、自分のパソコンでWEBサイトを作ります。
- そのデータをレンタルサーバーに預けます。
- レンタルサーバーに預けたWEBサイトのデータに、ドメイン(URL)を紐づけます。
- すると、ドメイン(URL)からWEBサイトが見られるようになります。
こうして考えると、そこそこシンプルじゃないですか?
なお、レンタルサーバーとはその名の通り、サーバーを借りることです。
専門の会社がたくさんサーバーを用意してまして、その一部を借りるんですね。
サーバー会社はデータセンターを持っていて、大量のサーバーを保有しています。
例えばこんな感じです。
こんな感じで棚の1つ1つにたくさんのサーバーが収められています。
この一部をお金を払って借り受けるわけですね。
わかりにくいサーバーの概念かと思いますが、少しイメージつきましたでしょうか。
僕たちは、サーバーを介してWEBサイトをネットを通して公開できるわけです。
倉庫としてだけじゃなく、個人と世界を繋ぐ、重要なハブになっているんですね。
レンタルサーバーを借りる時に気をつけるポイントは?
さて、ここからが本題なわけですが、サーバーは何を借りればよいのでしょうか。
特に初心者の方が使うべきは、いったいどのレンタルサーバーになるのでしょう。
経験上、それぞれの気にするポイントによって異なります。
今回はWEBデザインやプログラミング初心者を対象にして考えてみましょう。
初心者さんがレンタルサーバーを選ぶ時、大事なポイントは6つです。
- 価格
- わかりやすさ
- マルチドメインの最大数 – いくつサイトを保有できるか
- データベースの最大数
- 無料SSLがついているか – セキュリティ(https)があるか
- 使える言語のバージョン – phpなどが最新か
ひとまず、最初に借りるときは、上記の6つをチェックしておきましょう。
他の項目も色々ありますが、ひとまず考えなくても大丈夫です。
いくつか「なにこれ?」と思われるかもしれません。
1と2は分かるとして3から6ってどういう意味?ってなる方も多いと思います。
1つずつ説明させて頂くので、ご安心を。
そんなに難しい話ではありません。
価格
当然、価格は重要になります。
ご自身がどれだけサーバーを使うかによって決めましょう。
これから膨大なアクセスのあるサイトを作ろうとしていますか?
処理に負荷がかかるようなWEBアプリを作る予定はありますか?
安いサーバーだと、ある程度の負荷で止められてしまうこともあります。
もし、普通に会社や個人のWEBサイトを作るのであれば、安くても大丈夫です。
ただ膨大にアクセスが集まるようなサイトであれば、少し高くても良いかもしれません。
わかりやすさ
わかりやすさとは、管理画面のわかりやすさです。
どこで何をすべきか、直感的に操作が分かる、という意味です。
確かに細かく設定できるのは良いことです。
しかし、初心者さんにとっては、それが必ずしも良いとは限りません。
たくさん設定できても、何をどう使えばいいか分からない。
それでは、結局、たくさん機能が使える意味もありません。
最初は機能の数より、わかりやすさに軸を置くべきでしょう。
スキルが少ないうちは、どちらにしても多くの機能は必要ありません。
マルチドメインの数
マルチドメインとは、1つのレンタルサーバーにいくつ、サイトを作れるかです。
もしマルチドメインが100個だとしたら、100サイト作ることができます。
大量に今後、サイトを作る予定があれば、マルチドメインの多いものを選びましょう。
同時に、サイト数が増えるということはレンタルサーバーへの負荷も増えます。
合計して大きなアクセスがあるのであれば、少し価格高めのレンタルサーバーが良いかもしれません。
なお、マルチドメインでサイトを複数作る場合、サーバーが止まると全サイトが見られなくなります。
もし怖いようでしたら、最も安い価格帯のレンタルサーバーは選ばない方がいいかもしれません。
データベースの数
サーバーはデータをアップロードして預ける場所とご説明しました。
ただ、預けるデータのタイプが大きくわけて2つあります。
1つは、ファイルやフォルダとして預けるタイプ。
2つめが、文字列だけ記録するタイプです。
前者は視覚的で見やすくデータを扱えますが、何万という膨大なデータを扱うには不向きです。
後者は文字列のみのため、膨大なデータを管理できますが、視覚的ではありません。
データベースとは、上記で言う、後者にあたります。
文字列で記録する場所を意味し、たくさんのデータを扱えます。
例えば、会員情報やブログの記事内容などは、データベースで扱います。
もしWordPressなど、データベースを扱うサイトをたくさん作る場合。
会員登録などのあるWEBアプリをたくさん作りたい場合。
データベースの上限個数が少なければ、すぐ限界がきてしまうでしょう。
ブログやWEBアプリなどを作る方は、データベースの個数を意識してみてください。
無料SSLがついているか
近年、サーバーやWEBサイトにおけるセキュリティ意識は高まっています。
SSLはWEBサイトやサーバーにセキュリティをかけてくれるものです。
普段、WEBサイトはサーバーとたくさんのやりとりをします。
例えばユーザー情報であったり、パスワードであったり。
そこには人にのぞき見されたくない情報もあるわけです。
もし、この情報が日本語や英語でやりとりされていたらどうでしょう。
誰でも盗み見る穴さえあれば、見えてしまいますよね。
しかしSSLをかけることで、すべて情報が通信中、暗号化されるのです。
たとえ穴から盗み見られても解読されません。
Googleがセキュリティを強化して以来、SSLは必須になりました。
そこでサーバー側も、無料でSSLを使えるサービス提供しはじめたのです。
今、メジャーなレンタルサーバーでは、ほぼ確実に無料SSLが使えます。
しかし、たまにSSLが使えない場合もあるかもしれません。
独自ドメインで無料SSLが使えるかどうか、チェックしましょう。
使える言語のバージョン
プログラミングをする方にとっては、重要な問題です。
例えばPHPを使っている場合、レンタルサーバーによってバージョンが異なることも多々あります。
最新のバージョンが発表されても、その反映が遅くなることもあるでしょう。
少なくとも現時点の最新バージョンが使えるかは見るべきです。
もちろん言語の問題はPHPだけではありません。
他に自分の主要言語があれば、動くかどうか確認しましょう。
最新バージョンで作ったのに、公開しようとしたら古いバージョンしか使えないこともあります。
それでは、また修正の手間もかかってしまいますし、言語については確認しておきましょう。
最初はどのサーバーを借りればいいの?
判断基準を抑えた上で、いくつかのサーバーを比較していきましょう。
たくさんサーバーがある中で、どんな人がどのサーバーを使うべきでしょうか。
基本的に、先程あげた条件にあっているレンタルサーバーをご紹介していきます。
ご自身の状況と照らし合わせで、選んでみてください。
ロリポップ
初心者さんには王道のロリポップ!です。
なぜ王道かと言えば、安いから。
レンタルサーバーの業界でも、最安値と言っても良いでしょう。
しかし、普通にサイトを運営するのであれば、スタンダード以上をオススメします。
エコノミープランはデータベースが使えませんし。
ライトプランは、古いWordPressしか使えませんし。
自由がきくのはスタンダードプランです。
また、管理画面もぱっと見れば分かるデザインになっています。
初心者さんでも使いやすいし、検索しても情報豊富です。
そこまで大きなアクセスも無いサイトなら、ロリポップ!のスタンダードプランを選びましょう。
一般的なコーポレートサイトやアクセスを膨大に集める予定が無いサイトなら充分です。
ヘテムル
ヘテムルはロリポップの上位版と言ってもよいでしょう。
運営している会社も同じですし。
上位版というだけあって、機能はロリポップよりも上です。
例えばロリポップと比べてヘテムルは処理が早いです。
データベースを作れる個数や容量もヘテムルの方が大きいです。
さらに、管理画面の使いやすさもヘテムルの方が洗練されています。
もし、少しでも予算に余裕があるのなら、ヘテムルを選びましょう。
少し前まで、無料SSLがなかったのですが、今はありますし。
初心者さんにうってつけのレンタルサーバーの1つと思います。
僕は今、エックスサーバーを使っていますが、それまでヘテムルを使っていました。
エックスサーバーに移動したのは、1年ほど前までヘテムルが無料SSLに対応してなかったためです。
当時、無料SSLに対応したのであれば、ヘテムルから移動することはありませんでした。
ということで、僕の中では一番おすすめです。
エックスサーバー
もう一つのおすすめが、エックスサーバーです。
ヘテムルの少し上位版と言っても良いでしょう。
値段もヘテムルに比べて、少し高めに設定してあるようです。
ただ、値段に関しては、そんなに大きな違いはありません。
ヘテムルとの大きな違いは、高速かつ安定感のある最新の技術を導入していることです。
サーバーそのものは、他よりも一歩先を進んでいると言っても良いでしょう。
大量のアクセスが来ても高速に動いてくれることが期待されます。
管理画面で細かな設定もできますし、ある程度なれたら移ってもいいかもしれません。
ただ、ヘテムルと比べてデータベースの数が少ないです。
細かいサービスの部分はややヘテムルの方がすぐれている箇所もあります。
ご自身の運用状況にあわせて、エックスサーバーも使ってみてください。
ちなみにWORDPRESS、確かにサクサク動きます。
他のサーバーをおすすめしなかった理由
サーバーは他にも色々あります。
ただし、僕は今のところ、上記の3つのいずれかをオススメしています。
実際、全部使いながら検証してみましたので、あわせて読んでみてください。
さくらサーバーをオススメしなかった理由。
最近、大きくリニューアルしたさくらサーバー。
ただ、さくらサーバーの売りは、安さにあります。
他の料金形態と比べても、さくらサーバーの価格帯は安いです。
しかし「最安のプランがある」ということが唯一の売りであるように感じました。
例えばエックスサーバーのX10プランなら200GBの容量を月額900円で使えます。
ところがさくらサーバーに200GB使おうとすると、プレミアムの1543円払う必要があります。
100GBでも充分、という人や、小規模のサイトしか作らないのであれば、100GBでも充分です。
そういったニーズの方は、もちろんさくらサーバーで格安、という選択肢はあります。
ただ、問題なのは処理能力を表すメモリが18ギガしかないこと。
たまたま何かで膨大なアクセスがあった時に落ちたり、動きそのものが遅いということです。
画像の表示そのものが遅くなることもあるでしょう。
少しこれは心配な気がしました。
ただ、増強も行っているみたいなので、増強されたら試してみます。
また、管理画面の文字数が多く、少し使いづらい印象もうけました。
新しい管理画面になったようなんですが、もう人教ほしいところ。
初心者さん向けには、やっぱりヘテムルやロリポップ!の方が使いやすんじゃないでしょうか。
お名前サーバーをオススメしなかった理由
これはもう、使っていてphpMyAdminが入っていなかったことが大きいです。
phpMyAdminはデータベースの中身を管理するツール。
通常、サーバーには最初から入っていて、データベースの中身を簡単に管理できます。
しかし、お名前サーバーの場合、自分で入れなければなりません。
また、なぜかめちゃくちゃ遅い。
どの人もエックスサーバーをはじめ、他のサーバーに切り替えたら早くなった!と言います。
サーバーのスペック的には、かなり良く、安定もしているはずなのです。
特に安定感に関しては、他と比べても秀でています。
でも、遅い。
これが実際に使ってみた感想です。
ある人が言うには、通信速度を意図的に絞っているんじゃないか、という話。
さすがに今の時代に表示速度は直接離脱に繋がるので、捨てられません。
主にこの2点が、オススメしなかった理由です。
カゴヤサーバーをおすすめしなかった理由。
かなり良いサーバーではあるんです。
カスタマーサポートもしっかりしています。
技術者の方がしっかりと対応してくれたり、困っても安心です。
価格帯も他同様、そんなに高くありませんし、機能も豊富です。
1日のデータ転送量も他と比べて多く、高いアクセスにも耐えられます。
でも、ちょっとコントロールパネルが分かりづらかったんですよね。
慣れてしまえば問題ありませんが、始めたばかりの人は戸惑う部分も多いのではないでしょうか。
なので、今回はオススメしませんでした。
色々設定したい人には、オススメのサーバーであることは間違いありません。
印象としては、個人より企業向けのイメージが強いですね。
少し慣れてきてからカゴヤのレンタルサーバーに移管するのはありだと思います。
まとめ
色々とレンタルサーバーについてご説明させて頂きました。
結論としては、そんなにアクセスが無く、WEBアプリ等で大した処理が無い場合はロリポップ。
もし大きなアクセスを作りたくて、かつWEBアプリ等での処理もやや多めならヘテムル。
さらに高速化と安定感をもとめるのであれば、エックスサーバーがおすすめです。
もっと膨大なトラフィックを処理したり、慣れてきたらAWSを覚えるべきです。
AWSはamazonのサービスで使った分だけ課金されます。
何かで膨大にアクセスが跳ね上がっても、落ちることはありません。
大量のトラフィックを抱えるサービスには特に利用されています。
ただ、色々カスタマイズするタイプで、初心者にはオススメできません。
専門的な知識が必要です。
使い方を学ぶだけで、挫折してしまいかねませんから。
さくらサーバーも進化しているようですし、今後、環境は良くなりそうですね。
2020年から誰もがプログラミングを学ぶようになり、サーバーへの需要も高まるでしょう。
そうなると、もっと競争は激しくなり、さらにインフラを強化する会社も現れるでしょうね。
適切なサーバーを選ぶことは、そのままリスクヘッジになります。
今回は、僕自身が実際に使ってよかった感想をご紹介させて頂きました。
ぜひレンタルサーバーを借りて、いつでも好きなようにWEBを公開できるようにしましょう。
作るだけではなく、公開してはじめて、大きな価値がうまれますからね。